日本Androidの会 2011年5月定例イベント
日時:2011/5/17 19:00~21:30
場所:早稲田大学 西早稲田キャンパス 63号館

○アジェンダ
ABC 2011 Summerについて
2画面Android端末 Kyocera Echoのご紹介とタッチ&トライ
Google I/O 2011の報告
Honeycombについて
ADK,open accessory apiの紹介
マーケットの現状について
震災支援の活動報告

■Android Bazzar and Conference (ABC) 2011 Summerについて
講演者: 丸山先生(日本Androidの会)
名称: ABC 2011 Summer
日時: 7月17日(日曜日)
場所: 早稲田大学 大隈講堂、11号館、22号館 他
・テーマ「がんばれ日本。がんばれAndroid。」
・出展者、運営委員など募集中

■京セラEcho タッチアンドトライ
講演者: 内藤 昌宏 氏(京セラ株式会社 通信機器関連事業本部 経営企画部)
○概要
・Echoは海外展開モデル
→ Sprint Nextel で大々的に発表
・あんまり売れていない?
・アプリがまだ十分でない
・4つのモードがある
サイマルタスクモード
オプティマイズモード
タブレットモード
シングルモード
○2画面アプリ開発について
・京セラサイトでSDK開発ガイドが配布されている
・既存の1画面向けアプリにAndroidManifest.xmlで宣言するか Echo SDK で開発すると対応できる
・京セラEchoポータルサイトでアプリ紹介可能 (要審査)
・端末貸し出しも検討

■Google I/O 2011の報告
講演者: 安生 真 氏 (日本Androidの会)
○Google I/O での発表内容
・Honeycomb 3.1
→ Gallery で PTP (Picture Transfer Protocol) 画像転送サポート
・Google TV
→ Honeycomb ベースになる
→ Android Market提供
・新サービス
Books
→ 一度買えば、Googleアカウントが紐づいているどの端末でも読める
Movie
→ オフラインでも視聴可能
Music
・Update保証提携
→ 端末が出てから18ヶ月は、最新OSへのアップデートが可能になる (ことを保証する)
→ ただしハードウェアスペックが許す限り
・USBホスト
XOOMではUSBホスト機能がある
・Open Accessory
アクセサリ側にUSBホストを持たせて無理やり通信させる方式
・IceCream Sandwich
ロゴが発表された
タブレット用と統合
“One OS Everywhere”
今年の第四四半期にリリース!
・その他
Google Analytics for Android: アプリ内のユニークユーザやPage Viewなどを取得可能になった
Chromebook for Businessというサービスを始める。$28/user(基本3年)。問題があれば交換。education版もあり。$20。

■Honeycombについて
講演者: 由良 淳一 氏 (日本Androidの会・富士通研究所)
○Honeycomb とは
・タブレット向けのリリース
→ スマートフォンとの違いはスクリーンサイズ、入力手法、端末能力
・発表は2011年1月@CES
○ユーザー向けの改善/機能
・新しい “Holo” テーマ
・ホーム画面の改良
・USBデバイス対応
・アクションバー、システムバー
・最近使ったアプリの表示
○Fragments
・別々のフォームファクタ(タブレット/スマートフォン)のUIを作るのは大変
→ 共有できるものは再利用したい
→ 画面の向き(縦/横)、画面サイズ(大/小)
・Fragment は Activity の小さいもの
→ Fragment を複数配置して Activity を作る
・System Bar
通知領域、戻るボタンなど
・Action Bar
アプリケーションに依存する情報を格納する領域 (画面上部)
→ 今までメニューに出していたものをここにだすと良い
Action Bar はアプリの状態によって変えられる (Gmailアプリなど)
○Renderscript
・描画や計算処理のためのスクリプト (ネイティブコード)
→ C99ベースの文法
・Honeycomb以前にもLiveWallpaperで使われていた
○Graphics Acceeleration
・Honeycomb では多くのグラフィック処理がOpenGLで高速化される
・Manifestに1行追加するだけで、ソースはいじらずに対応可能
○Animetion Framework
・プロパティベースのアニメーション
→ CSS Animation や CoreAnimetion (iOS) と同じ手法
○その他
・プラガブルやDRMフレームワーク
・暗号化ストレージ
○Android 3.1
・追加機能
USB (キーボード以外)
外部カメラのサポート
サイズ変更可能なウィジェット
などなど
・3.1のあとは?
→ Honeycomb UIをより小さいデバイスに適用していく

■ADK,open accessory apiの紹介
講演者: 中川友紀子氏 (株式会社アールティ 代表取締役)
※アメリカ滞在中のため Skype での参加
○ADKとADS
・ADK (Accessory Development Kit) が汎用のI/Oモジュール
→ 電源、CPU、USB-A、micro USBが付いている。Arduinoがベース
・ADS (Accessory Demo Shield) がセンサー類を搭載してデモが試せるボード
→ フルカラーLED3個、リレー2個、プッシュボタン3個、静電容量センサー1個、ジョイスティック1個を搭載
○@HOMEとADS
・GoogleはいろんなところにADKを作れという打診をしていたが、I/Oに間に合ったのがRT社とマイクロチップ社だけだった
・バーチャルからリアルへ、がテーマ
・詳細 → http://www.youtube.com/watch?v=s7szcpXf2rE
・反響がものすごい。初期ロットは即日完売。セカンドロットは5月末
→ 初期ロットで一部間違いがあったのでセカンドロットでは修正
○Arduinoとは?
・最近ロボット屋さんだけではなくメディアアーティストからも人気
・ADKはArduinoのシステムを継承
→ Arduinoは元々USBクライアントだが、ADKはUSBホスト
・世界で5万台くらいArduinoはすでに販売されている
・ホビーの人にも入ってきて欲しいという思惑もある
・RT社は秋葉原ではじめてArduinoをはじめておいた会社。その縁あってGoogleとも話ができた
・ライブラリもしっかりしているので、ほとんどコピペでいける
○どうやって開発するの?
・ADKはArduinoのIDEを使用
Arduinoのスケッチで受け側を各
大体プログラムが用意されているので探してきてコピペでOK
Android はおなじみの SDK を使用
→ ただし、2.3.4 か 3.1 移行
○手順としてはこんな感じ
・ADK
↓(ADKが接続とAndroid側にどのアプリを使うか通知)
Android は識別してアプリを選択、なければダウンロード先などを問い合わせ

コネクション確立

通信スタート
・Android側からは、USBと同じようにOpenして書きこめばOK
ADK側からはポーリングして、通信バッファ読み出しという感じ (ADKのデモだと3バイト)
○Anywhere, Anytime
・いつでもどこでも有線でつながるI/OをAndroidは手に入れた
○その他
・GoogleにRT社の名前を言ってもらって、世界中からオファー殺到中
→ 会場にいたロボット屋さんは4社のみ
・日本の会社ではじめてGoogleに名前を呼ばれた会社なのに、日本では全く報道されなかった
→ 海外では取材殺到中
○RIC android
・キグルミを着せるための人形ロボット
・Android側はブリリアントサービスが開発
○ほかのADK応用が紹介された
・Farmbox(ブリリアントサービス)
・Piano(Miselu)
・巨大な迷路
○株式会社アールティについて
・「ロボットテクノロジー」の略。TwitterのRTよりかなり先にあった
・ロボットのいる暮らしを考える会社
・いつかロボットが友達や家族のように家にいるようにすることがミッション
・華々しいベンチャー企業ではなく零細企業で技術開発集団

■震災支援の活動報告 (PayFowardingプロジェクト)
講演者: 飯塚氏(日本Androidの会)
○支援アプリについて
・Androidマーケットで無料で公開されているアプリで寄付を募って寄付に回せないか?
→ 災害義援金システム構築予定
・その他支援系アプリ次々登場中
→ 1ヶ月で9個のアプリがリリースされた

■Android Market の現状について
講演者: 平出 心 氏(日本Androidの会,株式会社キーテル 代表取締役・弁理士)
○Android Marketの変遷
・2007/11/6 Google が Android を発表
→ このときはAndroidMarketの話は一切なし
・2008年前半 Android 勉強会が開始
→ Android Developer Challenge
→ 1788件の応募。日本人では「MyCloset」がベスト50に入る
・2008年9月12日 日本Androidの会結成
→ 当時GoogleはMarketをやらないのでは?という予想があったので、Market を運営しようとした
→ メディアで報道され、世界から絶賛される
→ 直後に Google が Android Market を発表
・2008年10月22日 初のAndroid端末 G1 発売開始。同時にMarketもオープン
→ 当初は無料アプリのみ50個ほど
→ やっつけで作ったお粗末な Market
・2009年の2月下旬 有料アプリの販売開始
→ 当初はアメリカ、イギリスのみ。その後ドイツ、オーストラリア、オランダなどに広がる
・2009年7月10日 日本でHT-03A発売
→ 発売当初は無料アプリのみ。2ヶ月後に有料アプリのダウンロード可能に
○AndroidMarketの問題点
・検索性、UIがひどい
・ランキングがない
→ 一般ユーザーがどれをダウンロードしたらいいかわからない
→ Google I/O 2011でランキング作成が発表された
・購入後のキャンセル
→ 当初は24時間。一発アプリはキャンセルされてしまっていた
→ その後15分に短縮
・決済手段が少ない
→ Google Checkout のみ
→ その後キャリア決済も対応
・月額課金、アプリ内課金がない
→ 2011/3/29 アプリ内課金開始
→ Twiccaはアプリ内課金で寄付を募っている
→ 寄付が一般の人にまで広がるかが注目
・有料アプリが売れない
原因1: Android Market公開時に無料しか公開できなかった
→ 待ちきれず無料で公開してしまった開発者がいっぱいいた
原因2: Google がイベントでタダで端末配りまくる
→ ビジネスに関係ない人がアプリをたくさん出している
原因3: 審査がない
→ 人気の有料アプリがあると、同じ機能の無料アプリがすぐリリースされる
・どれくらい売れないか?(日本編)
トップ18位でも100万円くらいの収益。寄付のTwiccaが5位
25万本売れたAndroidアプリの本数: 5本
→ 有料アプリは難しい
・広告も安い
→ 有料アプリが売れないので広告単価が安い
→ ランキングの登場で広告単価が上がる可能性も?
・勝手Marketの乱立
ユーザー、開発者双方に乱立は望ましくない
→ 端末の爆発的な普及により乱立が加速する可能性あり

以上